金型
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用語集TOPはこちら金型(かながた、die and mold)とは、工業製品の金属製や樹脂製の部品をプレス加工のような塑性加工や射出成型などにより製造するための型のことであり、模型をさす場合もある。多くが金属製であるが例外もある。
鋳造でも使われる母型(おもがた)から、砂製を「砂型」、金属製を「金型」と呼んだことが語源と考えられる。
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金型は、製造業での製品の外観の優劣や品質・性能あるいは生産性を左右する重要な要素であるため、その製作に当たっては時間と費用がかけられ、完成した金型は容易に交換出来ない重要な資産として扱われる。自社で製作する場合と、専門の会社に製作を依頼することもある。特に精密部品などの金型については、マイクロメートル単位の正確さが求められる。ドイツなどでは「金型は生産工学の王」であるとも表現される。
金型を構成する標準的な材質は工具鋼が多く、最近ではセラミックスなどが使用される場合も増えている。
主な金属材質はモリブデン−タングステン等で構成されているダイス鋼(高合金工具鋼SKD)である。冷間鍛造のパンチなどには高速度工具鋼や超硬合金も多用される。鉄の殆どは焼き入れ加工を施すため、加工製品のモデルチェンジなどの際の改造に多くのコストを要するケースが多いとの意見もあるが、切削加工不能な超硬合金よりもコストが低く、形状の複雑さが増すにしたがってその差は開いてゆく。そのためプリハードン鋼と呼ばれる焼入れ不要で、ある程度硬度を持ちながら切削加工が可能な材料を使用する事があるが、これは、安易であるが鋼の特質を上手に利用しているやり方とは言えず、結果的にコスト高を招いている例が散見される。
金型は技術の限りを尽くして材質の強化をおこない使用するが、製造数が増える中、摩滅、変形、減耗するため耐久性の問題に関心が集まる。そのため成形によって金型の表面損傷が考えられる場合はあらかじめ硬質クロムめっき、PVD皮膜やCVDによるTiC)皮膜処理やTD処理など、様々な表面処理が施される。最近では前述の様にセラミックを使用する事により耐摩耗を改善する努力がされている。しかしセラミックでは硬度が高すぎて、実際に塑性加工する材料によっては破損の危険が高まる。工具鋼とセラミックスの中間的な材質に超硬があり、これは少量使用される。ただし、工具鋼は材料強度の増幅能力の高さを利用して、熱処理前は比較的やわらかく加工でき、熱処理後の耐摩耗性は格段に向上するといった性質を利用した製造法をとっているのに対し、超硬はその方法が出来ないためコスト高になり、限定的な使用にとどまっている。
かつて、精密金型製造は日本のお家芸であったが、一時はコスト削減を目的に海外への製造委託が増加し空洞化と騒がれたが、現在は日本主導の戦略的な技術移管、棲み分け、技術開発を通じ沈静化してきている。しかしながら金型職人の高齢化、後継者不足が次なる問題として取り上げられつつある。更には最大の競争相手に成長しつつある中国は日本製NC加工機械の導入や日本の金型職人による技術指導を通じ、日本的ものづくり文化の影響が拡大して競争力が高まっているのに対し、国内の金型メーカーの9割は20人以下の中小企業で設備面、人材面でも将来不安を抱えており、長期的には楽観できない状況にある。
金型産業という独自の産業分野まで生み出した世界屈指の工業国家である日本の製造業において、それを底辺で支える中小零細工場が持つ短納期能力や同業者間での連帯能力、職人的開発能力といった国家的財産を守り育て、欧米的な金融経済論理やアジアの安価な労働力との国際競争の中で、今度どのようにして優位性を保ち続けてゆくのかが課題として議論されている。
金型の種類は、大きく分けて2種類存在する。成形荷重が高い金属加工を目的としたDieと、鋳造もしくは樹脂成形を目的とした比較的成形荷重が低いMoldであるが欧米的定義であり金型と工具の違いを理解出来ない欠点がある分類である。また、型を閉じて中に原材料を封入する密閉型(mold)と、材料を上型下型で挟み込む開放型(die)に分けられる。
開放型。主に自動車部品、家電部品の加工で使われる。ほぼ均一な厚みのものを加工するのに適している。金型内で、多くはフープ材と呼ばれる金属の板をコイル状にまとめた金属材料を打ち抜き、曲げ加工を行う。必要に応じてバリ取りや、メッキ、塗装などの表面処理といった後工程を行なう。
主に鉄や銅、アルミニウムを加工するが、樹脂シートの加工用金型もこれに含まれる場合もある。
プレス金型は次の2つに分けられる。
さらに以下のような小分類に分けられる。
開放型、または、密閉型。エンジンのコネクティングロッド(コンロッド)など肉厚が厚く、かつ強度が必要な製品の加工に適している。金型内の金属材料に高い圧力を加えることによる塑性変形により形状を作る。金型による材料拘束の度合いにより、開放型、半密閉型、密閉型に大別される。後者になるほど、バリの排出量が少なく歩留まりが高い、仕上げ加工が少なくなるが、鍛造時の加工力は大きくなるため、金型に掛かる負荷は増大する。前出のような自動車部品の製造においては、数工程に分けて基材料を徐々に製品寸法に加工するのが一般的で、その工程の目的に応じて、ロール型、つぶし型、粗成形型、仕上げ型、ピアス型、トリム型などの言い分けも用いられている。 加工時の材料や金型温度により、冷間鍛造、熱間鍛造などの加工種類が存在する。一般的に、熱間に比べると冷間時の材料変形能は極端に小さいため、大きな加工力が必要で、金型が受ける荷重も大きい。 鍛造後は工作機械で仕上げ加工を行う場合が特に熱間鍛造では頻度が多くなる。
密閉型、または、開放型。溶融させた金属(溶湯(ようとう))を直接金型に注ぎ込んで鋳造を行う金型鋳造型と、溶湯を注ぎ込むための鋳型を成型するための鋳型造型型に大別される。前者では、ダイカスト(die casting)型、後者では生砂型がその代表例。自動車などのエンジンブロック、シリンダヘッド、ミッションケースなど、成形自由度が高く、適用範囲は膨大である。湯口と呼ばれる開口部から溶融させた鉄やアルミニウムを流し込み成型を行う。ほとんどの場合、凝固に伴う精度誤差や鋳肌の荒れなどで鋳造後に工作機械で後加工を行う。 鋳造用の砂型はmoldであり、砂型造型用の金属製模型patternのことを金型と呼ぶ。
密閉型。プラモデルや携帯電話の外装など、多くのプラスチック製品の作成で用いられている。射出成形機内の金型により、型締め、プラスチック材料の溶融、閉じた金型の空洞部に対しての加圧注入、冷却を行うことにより形状を作る。
密閉型。空気などのガスを原材料に噴きつけて金型に押し付け、製品を作るための金型。多くのプラスチック製品の製造ではプラスチックシート材から直接、ブロー成形される方法や、ペットボトル、ガラス瓶などは射出成形によってバリソンを作った後にブロー成形される方法がある。特にペットボトルの製造ではコスト削減の必要性から出来るだけ肉厚を薄くするために厚さ制御が重要となる。自動車用ガソリンタンクの製造では、内外2層の異なる樹脂を使用することも可能とされている。空気抜き孔を持った、熱伝導の良いアルミ合金製金型が多い。「圧空成形」とも呼ばれる[1]。
密閉型。自動車のタイヤなど、型に材料を入れた後、型で押し込んで製品を作るための金型。
半密閉型。卵パック、プラスチック容器など、温めたシート状の材料を型にセットし、型に空けた無数の穴から中の空気を抜き、大気圧で型に押し付け製品を作るための金型。
半密閉型。大型タンク容器・ローリータンクなどの大型ポリタンク製品を作るための金型、金型を熱し粉末状のポリエチレンを入れ、金型自体を回転させて成形させる。
半開放型。アルミサッシのレール、冷却用フィンチューブ、繊維製品などの長尺物の成形を行う。アルミやプラスチックなどの母材を目的形状の断面を持つ押出しダイスに対し押し付け、均一断面の長尺製品を作成する。内部が空洞の形状や格子形状も製造できる。アルミサッシなどの金属母材では熱間押出しが行なわれる。プラスチックでは一度分断された後で再融合した境界面に「ウェルド」や「ウェルドライン」と呼ばれる痕跡の線が現れることがあり、場合によっては不良となる。金属と樹脂のいずれも、押出しダイスから出たところで少し変形したり、何らかの曲がり変形を起こすので、変形量を見込んだダイス形状を作り、ダイスの出口側の「ランド」と呼ばれる直線部分の長さを長くするなどで、変形量を制御するなどの工夫がなされている。
中実製品の製造には単体の「ソリッドダイ」が使われるが、中空製品の製造にはオス・メスという内外部分より構成される「ホローダイ」が使われる。
この分野は、1995年以降ほとんど技術の高度化は見られていない。 自動車用廃ガス対策用セラミックハニカムは粉末押出しによって製造される[1]。
金型は、製造業者が自社工場で使用する場合のほかに、外注工場に貸し出しを行うこともある。この金型を、発注者からみて、預け金型と呼び、金型台帳などで管理する。量産に使用する金型は通常、普通の加工設備と同様に固定資産として管理される。
また、コスト削減などを理由に、海外に無償で金型を提供し、それを用いて作った製品を輸入する例も多くなっているが、その場合、商品輸入時には税関に、輸入商品の代金に金型代金を加算して申告する必要がある。金型の有無によって、製造コストが大きく変わるため、正しい課税ができなくなるためである。
QDC system(Quick Die Change system, ダイ迅速交換システム)とは、プレス機等の造型機に付随した、金型交換作業を短時間で済ませる装置のことであり、工作機械では工具を自動交換することで生産性を向上しているように、金型の交換を半自動的に交換する機械装置である。
自動車車体用プレス加工では、QDC導入以前は1時間から数時間かかっていた金型交換作業が、 QDCシステムによって5-10分以内に迅速化出来ている。こういった交換システムでは「ムービングボルスター」と呼ばれる移動台が採用されている[1]。
自動車のような民生用工業製品では、生産中止後も補修部品としてさまざまな部品の要求がある。消耗の激しい物や小型部品はあらかじめ余剰に生産しておいて在庫保管とする物が多いが、他の物で代用可能な部品を除いても、全ての部品の特に大型の部品を常時充分な数だけそろえて持つことは保管経費と資産効率の点で不利益が大きすぎるため、必要に応じて生産することが行なわれる。
このため古い金型も保管され、補修部品が減少したり欠乏品に対する受注発生時に、その金型により極少量の生産が行なわれる。金型によっては保管環境に差があり、露天に置かれていた物は錆び落としから行なわれる。ブランク取りやトリミングはレーザー切断によって行なわれる。試作金型と同様に耐久性が劣るが新たな金型を作る方法によって少量生産が行なわれることも一部では行なわれている。プレス加工では1枚の製品加工でも何枚か試し打ちによって調整する必要があり、無駄な経費となる。古い金型を保管する経費も、新たに簡易な金型を作る方法の共に高価なものとなる。[1]。